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クルム伊達公子選手のライジングショットから学ぼう①

今回は、現役復帰後も活躍を続けるクルム伊達公子選手をお手本にして、シンプル&ナチュラルな観点から上達のコツを探り出したいと思います!

当時37歳というアスリートとしてはピークをとっくに過ぎた年齢にも関わらず、現役復帰を決めたクルム伊達公子選手。

「元世界ランキング4位とはいえ、さすがにその年齢じゃ。。。」と誰もが思いましたが、見事その予想を裏切って、いきなり日本3位の中村藍子選手をやぶる大活躍を見せてくれました。

そこには、パワーテニスとは違う、伊達選手が現役時代に築き上げた「ライジングテニス」がありました。

 ちなみに、「ライジングショット」とは、ボールがバウンドして、あがりはじめたところで打つことから「ライジングショット」と呼ばれています。
このライジングショットのメリットは、大きく3つあります。
1.より少ない力で強いボールを打ち返せる(相手の力を利用できる)
一つ目は、より少ない力で強いボールを打ち返せる(相手の力を利用できる) ということです。
通常はボールがバウンドしてボールが失速して一番高いところまであがりきったところで打ちますが、ライジングではまだボールにスピードがある状態で壁でブロックするように打ち返しますから、より少ない力で強いボールが打ち返せるんですね。 これは小柄な伊達選手が、海外の大型選手と台頭に打ち合えた秘密兵器だったわけです。
2.より早いタイミングでボールを打ち返せる(相手に余裕を与えない)
二つ目は、より早いタイミングでボールを打ち返せる(相手に余裕を与えない)ということです。
ライジングはより早いタイミング(といってもコンマ数秒)でボールを打ち返しますから、相手からすると、ワンテンポ早くボールが返ってくるわけです。
現役時代の伊達選手は、リターンで相手を崩してポイントを取るシーンが多かったですが、相手はサービスを打ったらいつもよりもワンテンポ早くリターンが返ってくるので、慌ててミスをしてしまうわけです。
コンマ数秒早いというのはプロの世界では、とてつもなく大きなメリットですから、伊達選手はこれをうまく利用したわけです。
3.より角度のあるボールを打ち返せる
三つ目は、より角度のあるボールを打ち返せるということです。
ライジングではより早いタイミングでボールを打つため、通常よりも前へ半歩踏み出した位置で打つことになります。 テニスでは当然ながらネットに近ければ近いほど、より角度のついたコースを狙うことができます。
もちろん、ボールがあがる途中で打つため通常よりも打点は低くなりますから、一概に角度のついたコースを狙いやすいとはいえませんし、より高度な技術が必要です。
以上がライジングショットのメリットです。
ラケットが進化して、大型選手がでてきても、このライジングテニスがまだまだ通用することが証明されれば、日本の選手はもとより、私たちテニス愛好家にとっても素晴らしい武器になると思います。
海外の選手からすると、 「あんなに小さな体なのに、強いボールを打てば打つほどより強いボールが返ってくる。。。」 「返球のタイミングが早いので間に合わない。。。」 「鋭角にショットが飛んでくるので追いつけない。。。」 と、嫌な相手であったことは間違いないですよね。
さて、シンプル&ナチュラルな観点から私なりにこのライジングショットを分析すると、これは自然界にもよくある「逆境を味方に変える」を実践した良い例だという気がしました。
そして、次のような質問を自分自身にしてみることから生まれたのでは?と勝手に想像してみました。
「この逆境で、自分にとって喜ばしいことがあるとしたら、それは何だろうか?」
「この逆境を乗り切るために、味方になってくれる要素があるとしたら、それは何だろうか?」
「この逆境で、自分にしかできないことがあるとしたら、それは何だろうか?」
これって、日常生活にも使えますよね?
「ライジングショットで大げさな。。」と思われるかもしれませんが、テニス上達を通して、日常生活、ひいては人生全般に役に立つことをたくさん学べると私は信じています。
あなたにとって「ライジングショット」はどんな意味があるでしょうか?
「私のテニスで、どのようにライジングショットを有効活用できるだろうか?」 「ライジングショットから何を学べるだろうか?」
「私の日常生活でライジングショットが役に立つとしたら、どんなシーンだろうか?」
そんな問いかけをしてみてくださいね。何か大きな気づきが生まれるかもしれません!

あなたのテニス上達を応援しています。