今日はテニス上達には欠かせない「ボールタッチ」の感覚を磨く練習方法をご紹介しましょう。
「ボールタッチ」という言葉を初めて聞いたかたもいらっしゃるかもしれません。
「ボールタッチ」とは、文字通り「ラケットでボールに触れる」ことで、この感覚が優れている人はどんなボールがきても、自分の思ったところへ思ったスピードでボールを返せます。つまりボールコントロール力が高くなるということです。
たとえば、マッケンロー選手(古っ!)。
今やプレーを見る機会がないので、参考にならないかもしれませんが、マッケンローはボールタッチが非常に優れている選手のひとりではないかと思います。言葉で説明するのは難しいのですが、ラケットにボールが吸い付くように受けとめて、どんなボールも返してしまう選手です。
ほかにも身近な例をあげると、相手の早いリターンをポーチにでて、それをネット前にポトンとドロップボレーする人。
これだけでは一概にいえませんが、これもボールタッチが優れているわかりやすい例かもしれません。
またショートラリーも同じです。
緊張してしまう、力が入ってしまう、イメージができない、などなど、みなさんそれぞれに悩みをもってらっしゃいますが、これもボールタッチの感覚を磨くことで、解決できることが多いです。
こんなふうに、テニス上達にはとても大切なボールタッチの感覚ですが、普段の練習では意識することもなく、あまり教えられませんので、この機会に簡単な練習方法をご紹介しましょう。
まず、最も簡単な自分でできる練習法です。
1.ボールを真上に高く打ち上げます。
2.落ちてくるボールをラケット面に当てます(ラケット面は上向きです)。
3.ボールがもう一度上にあがります。
4.落ちてきたボールをラケットを持っていない手のひらで受けます。
これだけです。
このとき、ポイントは2つ。
「3」でボールがもう一度上にあがるときに、できるだけボールの高さが低くなるように挑戦してください。
それから
「4」でボールを手のひらで受けるときに、できるだけ自分は一歩も動かずに受け取れるように挑戦してください。
どちらもラケットにボールが当たるときに、自分の力でボールをはじき返すのではなく、一旦、優しく受け止めて相手のボールの力を使って打ち返すことが大切です。
これはテニス全体に通じるものすごく大切な考え方だと思います。
ボールをコントロールするというと、多くの人が「自分の力でコントロールする」という感覚を抱くと思いますが、実はそれには限界があります。ゆっくりとしたボールならコントロールできますが、自分よりも速いボールや重いボールになってくると力負けしてコントロールできなくなります。
しかし、相手の力を利用して打ち返す感覚を磨いていけば、そこには限界がありません。極端にいえばどんな相手と対戦しても主導権を握れる可能性があるわけです。
これが「ボールタッチ」を磨く考え方のポイントです。
さらに、ショートラリーにもこの要素を取り入れてみましょう。
※ショートラリーがわからない方は、こちらの動画をまずご覧ください。
1.相手のボールがワンバウンドして手元にきたら、そのまま打ち返さずにラケット面を上向きにして、一旦ボールを自分の頭くらいの高さまで打ち上げる。
2.そのまま自分の足元でバウンドさせてから、それを打ち返す。
3.これを毎回繰り返す
このときもポイントは、「2」で自分ができるだけ動かなくてもよい位置(体の少し前あたり)にボールをバウンドさせることです。
この練習をすることで、相手の回転のかかったボールを受け止めてコントロールするタッチの感覚が磨かれます。
また一旦自分の足元へバウンドさせることで、回転とスピードがほとんどなくなりますから、ショートラリーが苦手な人は、いつもよりも相手コートへ打ち返しやすくなります。(自分のペースで打ち返せます)
最終的に上記の練習が問題なくできるようになってくれば、ボールを一旦受け止めずに、いつものように直接ショートラリーをしてください。
きっとボールタッチの感覚が磨かれているので、いつもよりもショートラリーが続くようになると思います。
以上、ボールタッチを磨く練習法、いかがでしたでしょうか?
ボールタッチを磨くには、とにかくボールにたくさん触って、ボールと友達になる!ことが大切です。工夫をすればいくらでも練習法があると思います。
あなたのテニス上達を応援しています。