今回はテニス上達に必要な集中力や精神力を鍛える練習法をお伝えします。
これまでご紹介してきた各ショットの練習方法を思い出してください。
・ストロークVSストローク
・ボレーVSストローク
・ロブVSスマッシュ
これらの基本的なラリーができるようになり、かつ意識するポイントもつかめてきたら、いよいよ次のレベルアップに向けてある練習にチャレンジしていただきます。
これは上手な人、特にトップクラスのジュニアたちも練習しているとっても効果のある練習です。
それが、1000回ラリーです。
「えっ!1000回もラリーするの??」
そうです。するんです。
まずは、ゆっくりしたボールでラリーしてOKです。
がんばって1000回続けるんです。
「大変ですよね・・・?」
ええ、大変です。
でもやるんです。
1000回続けるという目標をもって練習に取り組むといろんなことが学べます。
まずは「集中力」。
よく、「私、集中力がないんです。。。」とおっしゃる方がいます。
これは集中力がないのではなく、集中力を鍛えていないだけです。
10回、20回続ける間であれば誰でも集中はできますが、100回、500回、1000回続ける間、ずーっとボールに集中し続けるというのは、慣れていなければ至難の業です。でもこの練習を繰り返すことで集中力は着実に鍛えられていきます。
それから「精神力」。
普段の試合で、これさえ決めたら勝てる!というときに致命的なミスをしたら、ヘコんでいませんか?簡単にあきらめていませんか??ペアのミスに愚痴をこぼしていませんか?
1000回ラリーに挑戦して、いきなり達成する人はあまりいないでしょう。
皆さん成功するまでに何度も何度も失敗します。
100回目で失敗するかもしれません。
500回目で失敗するかもしれません。
でも失敗したら1からやり直しです。
900回目で失敗したときの精神的ダメージはどうでしょう?
あなたがミスして、パートナーに申し訳ない気持ちでいっぱいになるかもしれません。
逆にあなたががんばっていても、パートナーがミスばかりして、あなたはやるせない気持ちになるかもしれません。
それでもへこたれずに最初からやり直すことで最後まであきらめない精神力がつきます。
そして、何よりも大切なことは、「助け合いの力」が身につくこと。
意外かもしれませんが、1000回ラリーに成功しようと思うと、これまで一般的に言われているテニスの常識を変えなければなりません。
「テニス=戦い・競い合い」という常識です。
相手の弱点を狙う、相手のいないところへボールを打つ、ポイントを奪い合う、相手を倒す・・・という常識です。
この考え方で1000回ラリーに挑戦すると、まず達成できません。
そうではなく、
「テニス=助け合い・磨きあい」という考え方が必要です。
相手の長所を狙う、相手の打ち易いところへ返してあげる、相手を元気付ける・・・という考え方です。
そうすることで、1000回ラリーが達成され、相手とともに「喜びを分かち合う」ことができます。
こんなことを言うと、コーチからは「何を生ぬるいことをいってるんだ!」と怒られそうですが、私は本来テニスは戦いではなく、助け合いだと強く確信しています。テニスをしている理由は、自分だけが勝つことではなく、誰かとともに喜びを分かち合うことじゃないかなと。
そして仕事や勉強も、人生も同じだなと。
あなたががんばることで誰を助けるのか?
そんな疑問に答えてくれるのが、1000回ラリーだと思います。
ぜひこの1000回ラリーを通して、そんな人生観を感じていただけたら幸いです。